歯が多いと健康寿命・寿命がともに長く,要介護でいる期間が短い
2017年7月,東北大学から「歯の健康を保つことが健康寿命の延伸と要介護でいる期間の短縮に寄与する可能性がある」との報告がJDR誌になされました.JDR(Journal of Dental Research)は歯科医学誌の中でも最も権威のある雑誌で,優れた論文が多数掲載されています.
具体的には歯が20本以上ある人は歯が0本の人にくらべ,寿命自体が長く(男性+57日,女性+15日),さらに健康な状態である健康寿命も男性で+92日,女性で+70日,要介護状態の期間も男性で-35日,女性で-55日であったとのことです.
詳細は下からご覧できます.
以前65健診のコラムでも書きましたが,首都大学東京の星旦二名誉教授もかかりつけ歯科医をもつことが健康で長生きできることを報告しています.
さらに歯科と全身の健康に関する多くのエビデンスが報告されており,日本歯科医師会がまとめて冊子にしています.
以下からご覧できます.
詳細な内容で読むのも大変なボリュームですが,この中では失われた歯も義歯などで補綴することによって義歯を使用しないケースよりも寿命が改善する可能性があることが示されています.
来年度から佐賀県ではご高齢のかたを対象に新しい健診事業も始まりそうです.痛くなってからの来院ではなく,日頃からメンテナンスがますます重要になってきています.