リステリンについて
今回は当院でも採用しているリステリンについて説明いたします.
リステリンは世界で最初に石炭酸(フェノール)で消毒をおこなったリスター博士に敬意を評して命名されたという経緯をもつ歴史のあるお薬です.元々は外科用の消毒薬として開発されましたが,マウスリンスとして有用であることがわかり,今ではマウスリンスとして広く使用されています.
リステリンの有効成分は以下のとおりです.
●チモール
芳香性のにおいと刺激的な味を持つ殺菌剤で歯科治療でも広く用いられる
●1,8-シネオール
ユーカリ属又はその近緑植物の葉を蒸留して得られる精油で,強い殺菌・防腐作用がある
●L-メントール
ハッカのような香気と清涼感のある味を有し,着香料として広く食品に使われる他,防腐剤・消炎剤として広く使用されている
●サリチル酸メチル
清涼感のあるにおいがあり,医薬品の消炎剤としても広く使用されている
薬用リステリンの特徴として以下のような事が挙げられます.
●30秒で広範囲の口腔内有害菌を速やかに死滅させ、12時間にわたってプラーク及び歯肉炎を予防する
●プラークバイオフィルムに対して、迅速に浸透し、殺菌する(30秒間で,30分後のバイオフィルムの殺菌率は78.7%であった)
●嫌気性グラム陰性菌を始め、真菌やウイルスに対しても幅広い抗菌スペクトラムをもつ
●4倍以上に希釈しても主要な口腔内細菌の発育阻止が確認されている
リステリンはアルコールを含有しているため,「辛い」という難点がありました.辛さに対しては従来は薄めて使ってもらうことで対応していましたが,近年「ナチュラルケア」,「トータルケアゼロ」というアルコールを含まないリステリンが販売されるようになりましたので,皆さんにお薦めしやすくなりました.科学的根拠が豊富にあるマウスリンスです.1日2回,朝歯磨きの後,夜寝る前の歯磨き後に1回30秒のうがいでご利用ください.(院内でもナチュラルケアを販売しております)